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防災、防犯に強い家づくりのためのヒント集

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地震に強い建築構造は

火事のイメージ

家づくりにおいて誰もが一度は考える「地震に強い建築構造」。大変なテーマですね。
この問題を論じたら十分に建築学の博士論文が書けるボリュームですし、実際に何冊もの学術本や実用本が出版されています。
ハウスメーカーのホームページを見れば、どこのメーカーも自社が採用している構造が一番だと書いていますし、住宅展示場に行けば、必ず地震に強いメカニズムについて説明してくれることでしょう。
今、一般住宅で使われている建築構造というと大別して、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造になります。もっと細かく分ければ木造の中に軸組工法や枠組壁工法、丸太組構法などがあり、鉄骨造の中でも重量鉄骨や軽量鉄骨に分けられたりするのですが、細かく論じれば論じるほど訳が判らなくなるので、先の3つで考えることにしましょう。

当然のことながら、住宅は地震に強いだけでは意味がありません。台風や大雨、火災など他の災害に強いのはもちろん、暑さ寒さにも強く、防音性も高く、防犯性も高く、住みやすい間取りが可能で、しかも価格が安くなければなりません。 ですから、良い住宅を考えた場合に「地震に強い」ということだけを捉えてもなんの意味もないわけです。

しかし、敢えて地震だけを考えた場合には、軽い家が一番有利だとは言えます。
童話「三匹の子ぶた」で、ワラの家は一番早く狼に壊されてしまい、「なにごとも手抜きしていい加減なものを作ってはいけませんよ」という教訓の材料になっているのですが、あのワラの家が地震には一番強いのです。
なぜかというと地震の際に建物に加わる力は建物の重さに比例するからです。ちょっとピンと来ないかもしれませんが、例えば重さ10kgの家と100kgの家があるとします。人間がこの家を動かそうとしたら10kgなら可能だけど100kgは無理かも、となりますが、地震は超巨大エネルギーですから(なんの苦もなく)どちらも同じ距離だけ動かしてしまいます。つまり「同じ距離だけ動かした力」と考えれば100kgの家には10倍の力が加わったと考えることができますね。
さて、軽ければ軽いほど地震の時に受ける力は少なくて済むことはわかりました。でもいくら軽くても弱い材料ではダメですね。そこで大事なのは「軽くて強い」という事だときづきます。
つまり分子に強さ、分母に重さを持っている比強度という考えが重要だということになります。 建築材料別にこの比強度(圧縮)を比べてみると次のようになります。
木材:90
鉄 :57
コンクリート:8
つまり、本当に単純に考えると木造が耐震的には一番有利だといえるのです。
もちろんもっと比強度が高いチタン合金(270)、カーボンファイバー(2400)などを使えばもっと耐震性が高まるわけで高層建築物などのへの建築材料としての応用が進みつつあるのは事実です。

話は住宅の構造に戻って、鉄は木材と違い薄く伸ばしたり形状を変えたりして重さの割に強くすることが可能ですし、コンクリートは鉄と組わせて鉄筋コンクリートにしたり軽量気泡コンクリートのように軽くするなどして、耐震性をたかめる対策をとっています。ですから単純に「木造住宅が一番地震に強い」を結論付けるのだけは避けていただきたいと思います。
要は、「軽くて強い家が地震に強い」ということだけを覚えておいて頂きたいだけなのです。


   

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